〈講演会動画配信〉尾崎一雄講演「この頃思うこと 文学館は何故必要か」(1980.10.25 於・神奈川県民ホール)
1980年10月25日に神奈川県民ホールで開催された文学館建設推進文芸講演会での音声です。この講演会では、建設準備懇談会委員の尾崎一雄、井上靖、小田切進、中村光夫、長洲一二(神奈川県知事)が登壇し、文学資料を散逸から守り、県民の文化活動の拠点となる文学館の建設の必要性を訴えました。 尾崎一雄は文学者の立場から、文学館が何故必要か、自らの蔵書をめぐるエピソードをまじえユーモアたっぷりに語り、会場を湧かせています。
尾崎一雄 1899~1983
〈プロフィール〉
おざき・かずお……小説家。1937年(昭和12)短編集『暢気眼鏡』で芥川賞を受賞。『虫のいろいろ』『まぼろしの記』など、自らの心境を題材にした清新な名品の数々を残した。尾崎家は代々宗我神社(現小田原市)の神官をつとめ、尾崎自身も1944年から終生この地に暮らした。
無類の書物好きで知られ、神奈川の風土や自然をこよなく愛した尾崎は、建設準備懇談会委員として神奈川近代文学館の開館へ向けて尽力。1982年に初代名誉館長に就任するが、開館の前年に急逝した。没後寄贈された4万点もの蔵書(生涯師と仰いだ志賀直哉の初版本コレクションを含む)や原稿などは神奈川近代文学館のコレクションの礎となっている。