県立神奈川近代文学館

横浜・港の見える丘公園の中にある、県立神奈川近代文学館の公式noteアカウントです。

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    年に4回発行している機関紙「神奈川近代文学館」の掲載記事や、作家・文学者によるエッセイを期間限定でお読みいただけます。

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記事一覧

機関紙165号(抜粋)発行=2024年7月15日

機関紙「神奈川近代文学館」165号から当館の情報を抜粋してお送りします。詳しくはホームページをご覧いただくか、当館までお気軽にお問い合わせください。 ★機関紙は1部…

情熱と審美眼/荻野アンナ【理事長就任にあたって】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」165号(2024年7月15日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2024年9月29日まで〉 荻野アンナ・作家、理事長  理事長…

ホタルブクロの咲く野へ/橋本麻里【寄稿・古田足日展】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」165号(2024年7月15日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2024年9月29日まで〉 橋本麻里・美術ライター、エディター …

「手をつなごう」からの出発【展覧会場から・古田足日展】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」165号(2024年7月15日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2024年9月29日まで〉  今年刊行から五十年を迎え、今なお…

「ミッドワイフの家」とお相撲/辻原登【追悼・三木卓】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」165号(2024年7月15日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2024年9月29日まで〉 辻原登・作家、理事  ある事情から…

火の言葉だけが残った② 漱石、一本の光/吉増剛造【連載随筆】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」165号(2024年7月15日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈連載終了まで〉 吉増剛造・詩人  芥川龍之介が驚いた、漱…

機関紙165号(抜粋)発行=2024年7月15日

機関紙165号(抜粋)発行=2024年7月15日

機関紙「神奈川近代文学館」165号から当館の情報を抜粋してお送りします。詳しくはホームページをご覧いただくか、当館までお気軽にお問い合わせください。
★機関紙は1部100円、ミュージアムショップ・郵送で販売しています。

〈165号寄稿など〉
【理事長就任にあたって】
情熱と審美眼-荻野アンナ
【寄稿・古田足日展】
ホタルブクロの咲く野へ―橋本麻里
【展覧会場から】
「手をつなごう」からの出発

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情熱と審美眼/荻野アンナ【理事長就任にあたって】

情熱と審美眼/荻野アンナ【理事長就任にあたって】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」165号(2024年7月15日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2024年9月29日まで〉

荻野アンナ・作家、理事長

 理事長就任の日、職員の皆さんにパリの古本屋の話をした。頂点の「法定エキスパート」からセーヌ河畔の屋台まで、取材で廻ったことがある。複数の店で同じ単語と出会った。情熱と審美眼である。情熱を持って、見る目を育てていかなければならない

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ホタルブクロの咲く野へ/橋本麻里【寄稿・古田足日展】

ホタルブクロの咲く野へ/橋本麻里【寄稿・古田足日展】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」165号(2024年7月15日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2024年9月29日まで〉

橋本麻里・美術ライター、エディター

 目にするたび、心をざわめかせる花がある。本州の山地から平地にかけて広く分布する、ホタルブクロ(キキョウ科ホタルブクロ属)だ。現在では栽培種も普及しており、ベランダに置いた鉢でも育てることができるという。だが四十数年前、

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「手をつなごう」からの出発【展覧会場から・古田足日展】

「手をつなごう」からの出発【展覧会場から・古田足日展】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」165号(2024年7月15日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2024年9月29日まで〉

 今年刊行から五十年を迎え、今なお子どもたちを夢中にさせるロングセラー絵本『おしいれのぼうけん』(童心社)は、作品の構想から完成までに約三年という長い時間をかけている。古田の発案で、絵と文が緊密に関係し合う「絵本」ならではの表現を試みるため、当初から画家の田

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「ミッドワイフの家」とお相撲/辻原登【追悼・三木卓】

「ミッドワイフの家」とお相撲/辻原登【追悼・三木卓】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」165号(2024年7月15日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2024年9月29日まで〉

辻原登・作家、理事

 ある事情から小説を書くことを断念した私だったが、三十四歳の時、思い掛けもなく結婚して、杉並区上高井戸のアパートに住んでいた頃、偶然、三木卓の「ミッドワイフの家」を読んだ。

 読み終えて、しばらく私は呆然としていた。

 小説の舞台は

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火の言葉だけが残った② 漱石、一本の光/吉増剛造【連載随筆】

火の言葉だけが残った② 漱石、一本の光/吉増剛造【連載随筆】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」165号(2024年7月15日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈連載終了まで〉

吉増剛造・詩人

 芥川龍之介が驚いた、漱石の〝稲妻に折れて〟(夏目漱石「永日小品・暖かい夢」新潮文庫『文鳥・夢十夜』九十九頁)について、いますこし……。

 〝稲妻に折れて〟には遠くて静かなそうして幽かな物音がする。〝遠くて静かな幽かな……〟と表現に困惑をしてふっと綴

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