県立神奈川近代文学館

横浜・港の見える丘公園の中にある、県立神奈川近代文学館の公式noteアカウントです。

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    年に4回発行している機関紙「神奈川近代文学館」の掲載記事や、作家・文学者によるエッセイを期間限定でお読みいただけます。

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記事一覧

〈講演会動画配信〉尾崎一雄講演「この頃思うこと 文学館は何故必要か」(1980.10.25 於・神奈川県民ホール)

機関紙166号(抜粋)発行=10月1日

見知らぬ地図、あるいは燃えつきぬ地図/恩田陸【寄稿・安部公房展】

辺境とクレオール――安部公房文学の原点と先駆性/沼野充義【寄稿・安部公房展】

仮説の文学【展覧会場から・安部公房展】

来訪のすすめ/宇佐見りん【寄稿・開館40周年に寄せて】

漱石遺品寄贈の経緯/夏目房之介【寄稿・開館40周年】

畏れの場/藤沢周【寄稿・開館40周年】

火の言葉だけが残った③ 赤い火=志賀直哉/吉増剛造【連載随筆】

機関紙165号(抜粋)発行=2024年7月15日

火の言葉だけが残った② 漱石、一本の光/吉増剛造【連載随筆】

館長就任メッセージ/荻野アンナ 

機関紙164号(抜粋)発行=2024年4月1日

火の言葉だけが残った① 芥川龍之介、名作「蜃気楼」/吉増剛造【連載随筆】

〈講演会動画配信〉湯川豊・尾崎真理子対談「現代日本文学のほんとうの流れ」 神奈川近代文学館開館40周年記念企画「文学・どこへゆくのか」第Ⅰ期①(2023.11.12収録)

機関紙第162号(抜粋)発行=2023年10月1日

〈講演会動画配信〉尾崎一雄講演「この頃思うこと 文学館は何故必要か」(1980.10.25 於・神奈川県民ホール)

1980年10月25日に神奈川県民ホールで開催された文学館建設推進文芸講演会での音声です。この講演会では、建設準備懇談会委員の尾崎一雄、井上靖、小田切進、中村光夫、長洲一二(神奈川県知事)が登壇し、文学資料を散逸から守り、県民の文化活動の拠点となる文学館の建設の必要性を訴えました。 尾崎一雄は文学者の立場から、文学館が何故必要か、自らの蔵書をめぐるエピソードをまじえユーモアたっぷりに語り、会場を湧かせています。 尾崎一雄 1899~1983 〈プロフィール〉 おざき・かずお

機関紙166号(抜粋)発行=10月1日

機関紙「神奈川近代文学館」166号から当館の情報を抜粋してお送りします。詳しくはホームページをご覧いただくか、当館までお気軽にお問い合わせください。 ★機関紙は1部100円、ミュージアムショップ・郵送で販売しています。 〈機関紙166号寄稿など〉 【寄稿・安部公房展】 見知らぬ地図、あるいは燃えつきぬ地図―恩田陸 辺境とクレオール―沼野充義 【展覧会場から】 仮説の文学 【寄稿・開館40周年】 来訪のすすめ―宇佐見りん 漱石遺品寄贈の経緯―夏目房之介 畏れの場―藤沢周 【連

見知らぬ地図、あるいは燃えつきぬ地図/恩田陸【寄稿・安部公房展】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」166号(2024年10月1日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2024年12月8日まで〉 恩田陸・作家  安部公房の小説には、しばしば写真、書類、新聞記事、地図といった、ビジュアル素材が登場する。それはまさに、近年よく聞くようになったモキュメンタリー(mockumentary・フィクションをドキュメンタリーの手法で描く)を先取りしていた、ともいえる。  彼のカメラ好き、写真好きとも少なからず関係しているだろう。ぎりぎりまで

辺境とクレオール――安部公房文学の原点と先駆性/沼野充義【寄稿・安部公房展】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」166号(2024年10月1日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2024年12月8日まで〉 沼野充義・ロシア、東欧文学研究者  二十世紀後半の世界で、安部公房は最も広く読まれた日本作家のひとりだった。もっと長生きしていたら、ノーベル文学賞を受賞していたに違いないともよく言われたものだ。このような国際的評価の高さについては、彼の作品が日本の特定の風物や習慣を前提としない「無国籍的」なものだったからだ、と説明されることが多い。こ

仮説の文学【展覧会場から・安部公房展】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」166号(2024年10月1日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2024年12月8日まで〉  日本初のSF専門商業誌「S-Fマガジン」は一九六〇年(昭和三十五)に創刊した。しかし、当時の文壇ではSF(空想科学小説)に対して否定的な見方が強かったという。同誌の初代編集長・福島正実の回想記『未踏の時代』には、創刊準備中に相談した作家のなかで、安部公房だけがSFの可能性を語って励ましてくれたと書かれている。公房は「S-Fマガジン」創

来訪のすすめ/宇佐見りん【寄稿・開館40周年に寄せて】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」166号(2024年10月1日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2025年1月14日まで〉 宇佐見りん・作家  かつて私にはいくつもの秘密の場所があった。取材で紹介したり、そもそも日々多くの人がそこへ訪れているわけで厳密に言えば全く秘密ではない。ないのだが、誰かを連れて訪れるときと、単身で訪れるときでは、少し違った魅力があると思う。ひとりのときにだけ対話するためにそっと開いてくれるような、そういう意味での秘密の場所に何度も支

漱石遺品寄贈の経緯/夏目房之介【寄稿・開館40周年】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」166号(2024年10月1日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2025年1月14日まで〉 夏目房之介・マンガ・コラムニスト  詳しいことは知らないが、戦前のことで、漱石の遺品は長男・純一(私の父)に相続された。しかし、祖母鏡子も父も危機管理能力はからきしだったので、非常に危なっかしかったのではないかと推測する。実際、時々遺品が持ち出され、売られたりした。父はそれを探し出して買い戻す、ということもあったらしい。  やがて遺

畏れの場/藤沢周【寄稿・開館40周年】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」166号(2024年10月1日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2025年1月14日まで〉 藤沢周・作家・理事  いかにして集めたのか。稀覯の直筆原稿に、作者が秘蔵していた宝物。こんな人たちと交流していたのかと目から鱗の写真群。愛しき人への手紙。愛用していた喫煙具や衣服があるかと思えば、誰にも見られたくなかったであろう日記までも。  神奈川近代文学館では全国的にも稀有なる規模の文学展が毎回催されるが、その収蔵、収集の技と努

火の言葉だけが残った③ 赤い火=志賀直哉/吉増剛造【連載随筆】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」166号(2024年10月1日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈連載終了まで〉 吉増剛造・詩人  夏休みの思い出の残り香のせいなのだろうか、不図、源実朝の名歌が、心に浮かんだ。  玉くしげ箱根の海はけゝれあれや二山にかけて何かたゆたふ  〝たゆたふ〟は〝ゆらりと動きただよう〟〝けゝれ〟は、東国方言の〝こゝろ〟。何故この一首が、心に浮かんで来たのか、わたくしにも判らない。おそらく、小文の予兆の燭火のようにして浮かんで来たの

機関紙165号(抜粋)発行=2024年7月15日

機関紙「神奈川近代文学館」165号から当館の情報を抜粋してお送りします。詳しくはホームページをご覧いただくか、当館までお気軽にお問い合わせください。 ★機関紙は1部100円、ミュージアムショップ・郵送で販売しています。 〈機関紙165号寄稿など〉 【理事長就任にあたって】 情熱と審美眼-荻野アンナ 【寄稿・古田足日展】 ホタルブクロの咲く野へ―橋本麻里 【展覧会場から】 「手をつなごう」からの出発 【追悼・三木卓】 「ミッドワイフの家」とお相撲―辻原登 【連載随筆】 火の言

火の言葉だけが残った② 漱石、一本の光/吉増剛造【連載随筆】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」165号(2024年7月15日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈連載終了まで〉 吉増剛造・詩人  芥川龍之介が驚いた、漱石の〝稲妻に折れて〟(夏目漱石「永日小品・暖かい夢」新潮文庫『文鳥・夢十夜』九十九頁)について、いますこし……。  〝稲妻に折れて〟には遠くて静かなそうして幽かな物音がする。〝遠くて静かな幽かな……〟と表現に困惑をしてふっと綴ってしまっていたのだが、もしかすると、次に引用をしてみる漱石の、名作というのより

館長就任メッセージ/荻野アンナ 

荻野アンナ・作家、新館長  神奈川は近代日本文学の文豪のゆかりの地であることは皆様もご存知です。川端康成や小林秀雄が住んでいた鎌倉は、太宰治が心中未遂を起こした土地でもあります。同じ太宰の『斜陽』の舞台は小田原郊外の下曽我でした。坂口安吾も、小田原をうろうろしていた時期がありました。本牧から山手を歩いていると、谷崎潤一郎や中島敦や山本周五郎の足跡を追っていることになります。神奈川という磁場に、夏目漱石から柳美里まで、淡谷のり子からサザンオールスターズまで、というのはちょっと

機関紙164号(抜粋)発行=2024年4月1日

機関紙「神奈川近代文学館」164号から当館の情報を抜粋します。詳しくはホームページをご覧いただくか、当館までお気軽にお問い合わせください。 ★機関紙は1部100円、ミュージアムショップ・郵送で販売しています。 〈機関紙164号寄稿など〉 【寄稿・橋本治展】 若き日の橋本治―馬渕明子 港の見える丘に立って―千木良悠子 【展覧会場から】 幻の「桃尻娘」応募原稿 【寄稿・庄野潤三展】 おいしい。うれしい。よろこぶ。―中島京子 【連載随筆】 火の言葉だけが残った① 芥川龍之介、名作

火の言葉だけが残った① 芥川龍之介、名作「蜃気楼」/吉増剛造【連載随筆】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」164号(2024年4月1日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈連載終了まで〉 吉増剛造・詩人  ゴッホなら、大きな渦巻だろうが、芥川龍之介の心の芯の糸は、ほとんど見えない、幽かな架空の稲妻だ――。それをたとえばわたくしは龍之介が感嘆する、師夏目漱石のここから学んだ。  「風が高い建物に当つて、思ふ如く真直に抜けられないで、急に稲妻に折れて、……」(夏目漱石「暖かい夢」、芥川龍之介「眼に見るやうな文章」全集第三巻百五十四頁)

〈講演会動画配信〉湯川豊・尾崎真理子対談「現代日本文学のほんとうの流れ」 神奈川近代文学館開館40周年記念企画「文学・どこへゆくのか」第Ⅰ期①(2023.11.12収録)

長く文芸ジャーナリズムのなかにあって、現代文学の実情を見てきた湯川豊と尾崎真理子をナビゲーターとして、現代日本文学の展開をたどる連続講座の第1回の記録(ダイジェスト)です。 戦後文学という枠組のなかで、ほんとうに読むべき作品は何であるのか。対談の中では大岡昇平、三島由紀夫、安部公房、佐多稲子、瀬戸内寂聴、安岡章太郎、大江健三郎、古井由吉、井上ひさし、丸谷才一の名が挙げられ、作品を通して「現代日本文学のほんとうの流れ」が論じられました。 【出演】 湯川豊(文芸評論家) 〈プロ

機関紙第162号(抜粋)発行=2023年10月1日

機関紙「神奈川近代文学館」162号から当館の情報を抜粋します。詳しくはホームページをご覧いただくか、当館までお気軽にお問い合わせください。 ★機関紙は1部100円、ミュージアムショップ・郵送で販売しています。 〈機関紙162号寄稿など〉 【寄稿・井伏鱒二展】 創作と翻訳と骨董蒐集と―青柳いづみこ 【寄稿・井伏鱒二展】 井伏鱒二の「ドリトル先生」―南條竹則 【展覧会場から・井伏鱒二展】 親友の形見 【連載随筆】 63年間を振り返って③ ボクラ少国民―山中恒 【神奈川とわたし】