県立神奈川近代文学館

横浜・港の見える丘公園の中にある、県立神奈川近代文学館の公式noteアカウントです。

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  • 機関紙「神奈川近代文学館」

    年に4回発行している機関紙「神奈川近代文学館」の掲載記事や、作家・文学者によるエッセイを期間限定でお読みいただけます。

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    神奈川近代文学館の講演会・イベントの動画配信記事です。

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機関紙「神奈川近代文学館」

年に4回発行している機関紙「神奈川近代文学館」の掲載記事や、作家・文学者によるエッセイを期間限定でお読みいただけます。

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火の言葉だけが残った③ 赤い火=志賀直哉/吉増剛造【連載随筆】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」166号(2024年10月1日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈連載終了まで〉 吉増剛造・詩人  夏休みの思い出の残り香のせいなのだろうか、不図、源実朝の名歌が、心に浮かんだ。  玉くしげ箱根の海はけゝれあれや二山にかけて何かたゆたふ  〝たゆたふ〟は〝ゆらりと動きただよう〟〝けゝれ〟は、東国方言の〝こゝろ〟。何故この一首が、心に浮かんで来たのか、わたくしにも判らない。おそらく、小文の予兆の燭火のようにして浮かんで来たの

畏れの場/藤沢周【寄稿・開館40周年】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」166号(2024年10月1日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2025年1月14日まで〉 藤沢周・作家・理事  いかにして集めたのか。稀覯の直筆原稿に、作者が秘蔵していた宝物。こんな人たちと交流していたのかと目から鱗の写真群。愛しき人への手紙。愛用していた喫煙具や衣服があるかと思えば、誰にも見られたくなかったであろう日記までも。  神奈川近代文学館では全国的にも稀有なる規模の文学展が毎回催されるが、その収蔵、収集の技と努

漱石遺品寄贈の経緯/夏目房之介【寄稿・開館40周年】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」166号(2024年10月1日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2025年1月14日まで〉 夏目房之介・マンガ・コラムニスト  詳しいことは知らないが、戦前のことで、漱石の遺品は長男・純一(私の父)に相続された。しかし、祖母鏡子も父も危機管理能力はからきしだったので、非常に危なっかしかったのではないかと推測する。実際、時々遺品が持ち出され、売られたりした。父はそれを探し出して買い戻す、ということもあったらしい。  やがて遺

来訪のすすめ/宇佐見りん【寄稿・開館40周年に寄せて】

※本記事では、機関紙「神奈川近代文学館」166号(2024年10月1日発行)の寄稿を期間限定で公開しています。〈2025年1月14日まで〉 宇佐見りん・作家  かつて私にはいくつもの秘密の場所があった。取材で紹介したり、そもそも日々多くの人がそこへ訪れているわけで厳密に言えば全く秘密ではない。ないのだが、誰かを連れて訪れるときと、単身で訪れるときでは、少し違った魅力があると思う。ひとりのときにだけ対話するためにそっと開いてくれるような、そういう意味での秘密の場所に何度も支

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〈講演会動画配信〉湯川豊・尾崎真理子対談「現代日本文学のほんとうの流れ」 神奈川近代文学館開館40周年記念企画「文学・どこへゆくのか」第Ⅰ期①(2023.11.12収録)

長く文芸ジャーナリズムのなかにあって、現代文学の実情を見てきた湯川豊と尾崎真理子をナビゲーターとして、現代日本文学の展開をたどる連続講座の第1回の記録(ダイジェスト)です。 戦後文学という枠組のなかで、ほんとうに読むべき作品は何であるのか。対談の中では大岡昇平、三島由紀夫、安部公房、佐多稲子、瀬戸内寂聴、安岡章太郎、大江健三郎、古井由吉、井上ひさし、丸谷才一の名が挙げられ、作品を通して「現代日本文学のほんとうの流れ」が論じられました。 【出演】 湯川豊(文芸評論家) 〈プロ

〈イベント動画配信〉藤沢周 朗読とトーク「世阿弥最後の花」(2022.12.10収録)

2022年12月10日に神奈川近代文学館で開催された「私の本について話そう 藤沢周 朗読とトーク「連作小説館」と「世阿弥最後の花」」のダイジェスト版です。 聞き手:尾形龍太郎(河出書房新社) 【出演】 藤沢周(作家) 〈プロフィール〉 ふじさわ・しゅう……1959年、新潟県生まれ。法政大学文学部卒業。書評紙「図書新聞」の編集者などを経て、1993年「ゾーンを左に曲がれ」で作家デビュー。1998年「ブエノスアイレス午前零時」で第119回芥川賞受賞。著書に『刺青』『オレンジ・ア

〈講演会動画配信〉没後50年 川端康成展 荻野アンナ講演『川端康成の小説万華鏡』(2022.10.22収録)

特別展「没後50年 川端康成展 虹をつむぐ人」〈会期:2022年10月1日(土)~11月27日(日)〉の開催を記念して行われた、作家・本展編集委員の荻野アンナさんによる講演『川端康成の小説万華鏡』のダイジェスト版動画を公開します。 【講師】 荻野アンナ(作家、本展編集委員) 〈プロフィール〉 おぎの・あんな……1956年横浜市生まれ。慶応義塾大学文学部卒。83年より3年間、ソルボンヌ大学に留学、ラブレー研究で博士号取得。89年慶應義塾大学大学院博士課程修了。以後2022年ま

【配信終了・DVD販売中】大岡昇平の世界展 池澤夏樹講演会「『レイテ戦記』を読む」(2020.10.18収録)

※本記事による動画配信期間は2023年4月13日(木)に終了しました。 ★本動画の視聴手段は収録DVDの購入のみです。 ★本記事を購入済みの方にはDVDをお送りします。下記の問合せ先まで、お名前・記事の購入年月日・お送り先のご住所をお知らせください。 2020年度の特別展「大岡昇平の世界展」の開催を記念して行われた、池澤夏樹さんの講演会「『レイテ戦記』を読む」のアーカイブ動画です。 過酷な戦場で死んだ兵士たちへの慰霊の書である『レイテ戦記』に大岡がこめた思いや、成城で近所